EneJetENEOS株式会社(旧 JXTGエネルギー株式会社)
ブランディング領域
施策・制作物
ブランディング領域
施策・制作物
石油元売り最大手のJXTGエネルギー(現 ENEOS株式会社)は、「JXエネルギー」と「東燃ゼネラル石油」との経営統合(2017年4月)により、旧東燃ゼネ系の「エッソ・モービル・ゼネラル」のブランド、ENEOSのセルフ型ブランド「Express」で全国展開しているセルフサービスステーションを、全て「ENEOS」ブランドに統一することを発表。新ブランド名を「EneJet」とし、2019年内までの約2年間で全てのブランドや店舗の統一化が行われました。
統一化に向けて、全国約1万3000(当時)の店舗を持つブランドにふさわしいブランドアイデンティティやコンセプト、ガイドラインなどの開発が急がれ、エフインクはブランドアイデンティティが開発された状態でプロジェクトに参画。ブランドのコンセプトや、コンセプトを全店舗・スタッフで共有するためのコンセプトブック、統一されたオペレーションや店舗販促物などを提供するためのガイドライン開発などをサポートしております。
近年、サービスステーションを取り巻く状況は大きく変化しています。女性ドライバーの増加や年配者の利用、電気自動車の台頭などをはじめ、これまで30~40代の自動車好きの男性を想定したターゲットとは異なる新たな需要が高まり続けており、全国約1万3000(当時)のブランド全体を通して幅広いお客さまをお迎えし、おもてなしできるブランドづくりのために「EneJet」は誕生しました。
そのため、「EneJet」ブランドとしての新たな価値を提供するためにも、今まで異なる思想やコンセプト・オペレーションで業務を行ってきた「エッソ・モービル・ゼネラル・Express」それぞれの足並みをいかにして揃えられるかが、ブランドづくりのための最も大きな課題でした。
まずはじめにご提案させていただいたのは、広義的な「ブランド」そして「ブランド体験」とは何かをしっかりと理解していただくこと。
唐突に新たなブランドコンセプトを提示されても、拒否反応が起こる懸念や深い理解と体現にはつながらないと考えたため、しっかりと「ブランド」についてまとめた上で、『すべてのお客様に、最高のブランド体験を。』を合言葉に「EneJet」のブランドコンセプトをご提示することで、スムーズに自分ごととして理解していただけるようコンセプト全体を構築。それぞれが今まで培ってきた思想やコンセプト・オペレーションなどに敬意や細心の注意を払いながらコピーライティングやデザインなど一式を開発いたしました。
社会的な状況の変化により、店舗数や売り上げがマイナスとなるチェーンが多い中、簡単かつスピーディーに燃料補給ができるだけでなく、ENEOSのカーメンテナンスブランド「Dr.Drive」や、「ドトール・セブンイレブン」などを併設するなど、便利で快適な次世代型のサービスステーションの提供により、実店舗数シェア(※)では2018年4月時点の38.7%から51.1%(2022年4月時点)へと過半数を占めるまでになっており、多くのお客さまに愛され続けております。
※日本ソフト販売調べ(10店舗以上を展開するチェーン全体に占める割合)
『すべてのお客様に、最高のブランド体験を。』を合言葉に、お客さまの「欲しい」にお応えし、便利だと感じて頂けるブランドを実現するためのコンセプトが「Smart & Convenient」。コンセプトの開発をはじめ、コンセプトブックにまとめてお配りしました。
EneJetが目指す世界を全社員さまが共有できるよう、「ブランドとは?」「ブランド体験とは?」への説明からはじまり、その流れのままだれもがわかりやすく意味を理解でき、伝播性が高まるよう厳選した非常にわかりやすいワードのみで構成。それぞれが今まで培ってきた思想やコンセプト・オペレーションなどに敬意や細心の注意を払いながらコピーライティングやデザインなど一式を開発しております。
EneJetが提供するブランド体験にふさわしい店舗の状態や掲示物などの在り方についてまとめた「グラフィクスガイドライン」を開発。約60ページにわたり、各設備の名称からステッカーの貼り方まで、クライアントとともに協議しながら規定を取り決め、わかりやすい図解や写真と共に記載されております。
ブランドコンセプトブックとまとめておけるバインダーも合わせて開発。ボロボロになるまでなんどでも見返していただき、それを自身の誇りとしてほしいという想いから、あえて汚れやすい白のバインダーとしております。
※展開イメージのため、実際の使用とは異なります。
のぼりやサイン、ポスター、ステッカーと、サービスステーション内に掲示されるアイテムは多岐に渡ります。さらに、併設されるENEOSのカーメンテナンスブランド「Dr.Drive」や、「ドトール・セブンイレブン」などの掲示も含めると、バリエーションは膨大です。
これらの膨大なバリエーションを統一的に展開し、EneJetとしてあるべきブランド体験を提供すべく、掲示物のデザインルールをテンプレート化。ブランドカラーを使用したオリジナルのグラフィック要素を開発することで、どのような情報や写真・イラストが掲載されてもEneJetらしさを保てるようにしております。
EneJetとしてあるべき店舗の在り方を視覚的にわかりやすく理解いただくため、クライアントとともに協議しながら取り決めた規定に沿った3DCGパースを開発いたしました。
中野 博文(株式会社エフインク)
ブランディングディレクター
多久和 功一(フリーランス)
ブランディングディレクター
コピーライター
横田 英司(株式会社エリア)
コーディネーター
フォトグラファー
3DCGパース制作